ドレーン 固定 方法。 胸腔ドレーン管理【いまさら聞けない看護技術】

胸腔ドレーン 固定方法|看護師はつらいよ

ドレーン 固定 方法

胸腔ドレーンは気胸と胸腔内ドレナージの両方の目的で挿入される為、目的の違いを確認しておく事が必要 必要物品・準備 胸腔ドレーン挿入時• 胸腔ドレーン• 低圧持続吸引器と滅菌蒸留水• 消毒セット、縫合セット、局所麻酔薬、滅菌ガウンと滅菌手袋、滅菌ドレープなど 胸腔ドレーン管理• 必要に応じて、固定テープ、聴診器、クランプ用鉗子 方法 胸腔ドレーン挿入時• 挿入に適した体位(仰臥位で挿入側の上肢を拳上する)をとる• 挿入部を消毒し、滅菌ドレープをかける• 局所麻酔を行う• 胸腔ドレーン(トロッカーカテーテル)を挿入する• ドレーンと低圧持続吸引器を滅菌操作で接続する(ウォーターシール部は予め滅菌蒸留水で満たしておく)• 排液の有無とエアリークの有無を確認後、縫合する• 挿入部にドレッシングを行い、固定用テープで固定する• ドレーンの先端をX線画像で確認する• バイタルサインとともに排液量や性状、皮下気腫やエアリークの有無、呼吸音の左右差、疼痛などを観察する 胸腔ドレーン管理• 患者に胸腔ドレナージの目的と注意点を十分説明する• 体動・移動方法について具体的な説明を行う• ドレーン部位の圧迫を避けるため、過度の屈曲は避ける• 逆行性感染を防止するため、排液バックはドレーン挿入部よりも常に低い位置に置く• チューブが閉塞しかけている場合は、適宜ミルキングを行う• 感染予防のため、最低1日1回は無菌操作で包帯交換を施行する 観察項目 胸腔ドレナージユニットの観察• 設定圧• 呼吸性移動(呼吸に伴って水封室の水面が上下する)の有無• エアリークの有無• ドレーンの屈曲・閉塞の有無• 正しい高さ(胸腔ドレナージバックは身体よりも20㎝以上低くする)に設置されているか• 確実に固定されているか(患者とドレーン、ドレーンと接続バック)• 吸引圧制御ボトルの水位が下がっている場合には、水を補充し、指示通りの吸引圧が保てるように確認・管理を行う• 粘ちょう度の高い排液や組織片などの混入がある場合にはドレーンが閉塞しやすいので、ドレーン内を確認し適宜ミルキングを行う 胸腔ドレナージユニット 観察のポイント 患者観察• バイタルサイン 発熱• 検査データ 白血球値上昇、CRP上昇• 挿入部位の感染兆候(創部の発赤・疼痛・びらん・熱感・搔痒感、ガーゼ上の膿、漿液、異臭の有無など)• 逆行性感染の兆候(排液の透明度の変化・浮遊物の有無・混濁など)• 胸部症状、呼吸音の変化、呼吸苦• 皮下気腫の有無や変化• 出血量の変化• 睡眠状況• 呼吸状態:呼吸音・呼吸回数・呼吸パターン・呼吸困難の有無と程度・SpO2・ 胸部X線による胸腔内のエアと貯留液の量など• 循環動態:意識レベル・脈拍・血圧など アセスメント• 水封室に連続的な気泡がみられる場合、患者の胸腔内か、胸腔ドレナージユニットのどこかでエアリークが起きている• エアリークを認めた場合、どこで起きているかを見極める• 感染兆候が認められた場合、すみやかにリーダーや医師へ報告し適切な処置を行う 排液から分かること 気胸の場合• 【血性】 ドレーン刺入の際の血管損傷を疑う• 【膿瘍】 膿胸合併の可能性を疑う 胸水の場合• 【血胸】 外傷や自然気胸に合併することが多い 出血に伴う血圧低下を考慮し、バイタルサインの変化に注意する• 【膿胸】 排液の量、色調、においなどの変化を観察する 感染がベースにあるため、全身状態や発熱の有無を確認する 排液量の変化• 【排液量が急に増えた時】 混濁、血性、膿性など、しょう液性など、排液の性状を確認する• 【排液量が急に減った時】 ドレーンの詰まり、曲がり、ねじれ、折れなどを確認する ドレーンの詰まりがある場合は、必要に応じてミルキングを行う 排液の性状の変化• 一般的に、術後ドレーンは血清からしょう液性へ、膿胸等の場合は膿性からしょう液性へ変化する• 【これ以外の変化がある場合は、何らかの問題を疑う】 しょう液性排液から乳び胸水(白濁胸水)に変わった場合:胸管の損傷を疑う しょう液性排液から血性排液に変わった場合:胸腔内の出血を疑う 感染兆候の確認 排液が、しょう液性液体が膿性液体に変わった場合• 逆行性感染、胸腔内部の感染巣発症を疑う• 適切な抗菌薬の使用、胸腔洗浄などを検討するため、医師やリーダーに報告する ドレーン挿入部の発赤・腫脹・排膿の有無・発熱状態・採血データ(CRP・WBC)も、感染兆候の指標となるため、適切な観察を行う エアリークの確認 エアリークとは• 胸腔内に貯留していた空気が脱気されること• 胸腔ドレーンバッグ内の水封室に「ポコポコ」と空気が流入することで確認ができる エアリークの量が増えた時• ドレーンの回路のどこかで接続不良が起きている可能性がある 注意点• 胸腔内は無菌状態であるため、ドレーンの挿入、ドレーンの管理とも無菌操作が必要• 胸腔内に感染が起こると重篤な経過を辿ることが多い• 胸腔ドレーン挿入時には、出血性ショック、排液の異常流出などのリスクがある• ドレーン挿入中のバイタルサインの異常(血圧低下、脈圧減少、頻脈など)が生じた場合は、迅速な対応が必要になる.

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開腹術後のドレーン管理【いまさら聞けない看護技術】

ドレーン 固定 方法

『・・チューブ管理完全ガイド』より転載。 今回は 経鼻胃管について説明します。 排出不良時はの屈曲や排液バックの位置をまず確認する 挿入中:定期的に固定部のトラブルを確認し、固定位置を変更する ケアのポイント 挿入前:皮膚や髭の状態、内環境、テープの耐性およびベットサイド環境などを考慮して、固定法や挿入後の管理方法を選ぶ 口腔ケア:絶飲食になると、口腔ケアがおろそかになりやすい。 保清・を保つようにする 〈目次〉• 経鼻胃管の定義 経鼻とは、鼻から胃に挿入する塩化ビニルやシリコンゴムなどでできたやわらかいチューブの総称である。 経鼻胃管には、単腔構造の型と2腔・3腔型構造のサンプ型()がある。 胃内容物の性状確認(インフォメーション) 貯留した胃内容物が血液か、食物残渣か、胆汁を混じた腸液か、などの情報を得ることができる。 胃・十二指腸潰瘍や胃癌からの出血に対する内視鏡的治療後に、その止血効果の確認などに用いられる。 胃内容物の体外への誘導(ドレナージ) 胃内容物を体外に誘導して胃内の減圧を図ることで、嘔吐を軽減し、さらに嘔吐による誤嚥を予防する目的にも使われる。 胃癌による幽門狭窄のための通過障害・胃拡張に対する術前処置として用いられる。 また、上部消化管手術後の急性胃拡張や術後の胃排出障害による嘔吐、あるいは、腸閉塞のうち嘔吐を繰り返すものなどに用いられる。 2 適応 以前は癌、胃癌などの手術後に胃内の減圧を図り、縫合不全を予防し、腸管の早期回復をめざして術後数日間経鼻胃管を留置したり、これに持続陰圧をかけることが行われていた。 しかし、複数の解析や前向き研究により食道切除 、内視鏡下手術を含む胃切除、膵頭十二指腸切除、および緊急開腹手術を含む多くの開腹手術でも、術後の予防的な経鼻胃管挿入は「肺合併症」「消化管の縫合不全」「創離開」などの術後合併症を減少させないことが明らかになった。 また、術後排ガスまでの時間、経口摂取時期、術後在院日数などを短縮させないことが証明され、最近はこれら手術後の予防的経鼻胃管は推奨されていない。 3 ドレーンの選択 サンプ型ドレーン:二重管構造で内腔が閉塞しにくいため、胃内容の吸引、とりわけ持続吸引に適している。 レビン型ドレーン:単管構造で、薬剤や栄養剤の注入に適している。 本書ではドレナージに主眼を置いているため、経鼻胃管を介しての薬剤投与や経管栄養に関しては他書に譲る。 経鼻胃管の挿入方法と留置部位 1 挿入方法 挿入は鼻腔を通して行われる。 経鼻胃管挿入時に最も注意しなければならないことは、挿入中に胃内容物の嘔吐によって起こる「誤嚥」である。 この時点で何回か唾液を飲み込んでもらい、嚥下にタイミングをあわせて胃管をゆっくり進めることで気管内への迷入を防ぐ。 ここで胃内容物が吸引されることを確認し、さらに腹部X線にて胃管先端の位置を確認する。 図2経鼻胃管挿入時の角度 2 留置部位 通常、仰臥位では胃底部背側が最も低位であり、胃内容物はここにたまりやすい。 胃管先端が胃底部にあることが望ましい()。 図3経鼻胃管の留置部位 経鼻胃管の合併症 1 経鼻胃管挿入時の合併症 挿入時の嘔吐による誤嚥 胃管先端が咽頭を越えるところで嘔吐が起こることが多い()。 大量の胃内容物が貯留していることが多いため激しい嘔吐になり、誤嚥を起こしやすい。 図4嘔吐を引き起こしやすい部位 挿入にあたっては患者体位に十分配慮し、嘔吐に備えて近くに排液盆などを用意する。 医療者も患者も、嘔吐が起こりやすいことを認識すべきである。 仰臥位で嘔吐が起こった場合は、ただちに顔面を左右どちらかに向けさせる。 意識レベルの低下した患者では、嘔吐、誤嚥に関して特に注意を要する。 胃管の気管内への迷入 や、鎮静状態などの患者では、嚥下機能と反射がともに低下しており、胃管が誤って気管内に入りやすく、その際に咳嗽が起こらないことも珍しくない。 気管内に胃管が迷入すると、嗄声が起こること、胃内容物が吸引できないことなどで診断はつく。 「注射器で空気を注入し、その空気音を心窩部で聴取できれば胃管が胃内にある」と判断することは推奨されない。 気管末梢まで迷入した胃管に空気を注入しても、心窩部で同じような空気音が聴取されることが知られているからである。 胃管が長時間にわたって気管内に留置されると、誤嚥が起こりやすくなり、きわめて危険である。 その意味でも腹部X線画像による胃管の位置確認は必須である。 2 経鼻胃管留置中の合併症 咽頭の異物感による患者不快、嚥下障害による誤嚥 咽頭を通過するドレナージ用の胃管は、通常12~14の太さがある。 そのため、患者の咽頭不快はもちろんのこと、咽頭喉頭の異物として嚥下機能を障害し、ドレナージ不良の場合には胃内容物が逆流しやすくなり、誤嚥が起こりやすくなる。 胃管先端による消化管の出血・穿孔 胃管留置が長期化すると、胃管先端の胃壁への圧迫のため出血や穿孔が起こることがある。 鼻翼固定部の圧迫壊死 経鼻胃管の固定が長期間鼻翼の1か所になされると、圧迫壊死に陥るので注意を要する。 経鼻胃管の利点と欠点 経鼻胃管は比較的容易に挿入することができ、胃内容物に関する性状確認と胃内の減圧・体外への誘導の両方に有効である。 しかし、胃管挿入操作時から留置中に至るまで、誤嚥の危険が常に存在することをよく理解し、胃管留置による得失を十分に考慮して選択すべき治療である。 そこで、患者の苦痛ができる限り少ない状態で挿入目的が達成されるよう、事前のアセスメントと環境整備が重要である。 患者の皮膚や髭の状態、口腔内環境、テープなどの固定具に対する耐性、また患者の動線をふまえたベットサイド環境などを考慮し、固定方法(、)や挿入後の管理方法を選定する。 図5合併症を防ぐ固定のコツ 図6経鼻胃管の固定方法 2 挿入時の介助 挿入時の嘔吐、それに伴う誤嚥を予防するため、可能であれば半座位から座位をとれるよう、ベッドギャッジアップや姿勢支持を介助する。 また、咽頭に達した際スムーズに胃管が進むように、嚥下動作の協力を得る。 事前に手順を説明し、唾液を飲み込む感覚を練習しておくことも効果的である。 嘔吐が生じた際に迅速に対応できるように、あらかじめ膿盆や吸引器・吸引カテーテルなどを使える状態でベッドサイドに準備しておく。 挿入後、経鼻胃管が適正位置に挿入されていることを確認するため、胃内容物を吸引するためのカテーテルチップ注射器を準備する。 そのため、ドレーンを()や吸引し、状況の確認、閉塞の予防・解除を行う。 図8経鼻胃管のミルキング サンプ型ドレーン()の構造を理解し、正常にドレナージされるよう排液バック(ボトル)・空気腔の位置を確認する。 空気腔は胃より高い位置に固定し、排液バックは胃より低い所に設置する()。 図9ベッドサイドでの経鼻胃管の設置方法 ドレナージルートの屈曲・排液バックの位置などの単純な理由で排出不良となるケースが多いため、排出改善を試みる際は患者への侵襲が少ない方法から試行していくよう考慮する。 患者の姿勢で排液流出が左右される場合は、排出しやすい体位をとり、定期的に吸引することもよい。 閉塞により排液が滞る場合は、空気や微温湯を少量注入し開通する方法もあるが、ある程度圧力をかけて改善がなければ無理強いはしない。 必要であれば、X線撮影による位置の確認や抜去、再挿入を行う。 固定方法()は各種あるが、ドレーンの長期接触による鼻翼の皮膚損傷や、固定テープによる皮膚障害が生じる可能性があるため、定期的に観察および固定位置の変更を行う。 事故抜去や固定位置への圧力の集中を避けるために、ルートの途中で衣服の襟元などに留めておくのもよい(更衣の際は注意する)。 経口摂取されなくなると特に口腔ケアがおろそかになりがち(患者本人も)であるが、保清・保湿ができるよう患者に合ったケアを励行する。 臭気による患者の心身ダメージも大きく、臭気対策のための行動が患者の気分を害する場合もあるため、方法やタイミングを考慮する。 患者は消化管に何らかのトラブルを生じ、すでに心身ともに悪条件にあるなかで、さらに侵襲を伴う医療行為を長期的に強いられる。 この点を常に念頭においてケアにあたる必要がある。 Column:看護師として、患者として 今回の執筆依頼にあたり、奇しくも自分の身に起こった出来事が参考になろうかと振り返った。 筆者が体験した緊急開腹洗浄ドレナージ・ストーマ造設術後の経過・状況の一部を紹介する。 術後5日目、急激なに見舞われ、縫合不全による急性腹膜炎の診断により緊急開腹洗浄ドレナージおよびストーマ造設術を施行した。 吻合部・下に計4本のドレーンが挿入され、それに伴う疼痛・不快感・抑制感が強い。 嘔気、腹部膨満、呼吸困難は増強。 主治医の指示にて経鼻胃管挿入となる。 胃内容物が300mLほど吸引され一時的に症状軽減したが、根本的には改善せず。 経鼻胃管挿入による不快感・呼吸苦が増強。 5分おきにナースコールし苦痛を訴える。 鎮静薬を点滴しいったん落ち着くが、苦痛が再燃。 「早く抜いて!苦しい!息ができない。 もうおなかの管も全部苦しい!自分で抜くよ」などと訴え状態となり、経鼻胃管挿入後1時間で抜去となる。 その後も医療チームから適切かつ献身的な治療・看護を受け無事退院。 3か月後に人工も閉鎖され、臨床現場に復帰した。 看護師は医療者としての冷静な観察力・判断力・行動力をもつと同時に、患者の気持ちをとらえ支える人間性を備えなければならない。 ときに、このいわば相反した特性を同時に発揮しなければならない。 図らずもこの貴重な体験をし、患者を看護する難しさと重要性を再認識した。 どんな医療行為であっても、患者にとっては大きな負担であり不安も大きい。 それを理解し、適時、的確なインフォームド・コンセントを行い、かかわっていく必要がある。 (宇佐美航) [引用・参考文献]• 1 Levin AL.A new gastroduodenal catheter. JAMA 1921;76: 1007.• Best Pract Res Clin Gastroenterol 2006;20(5):907-923.• 4 .• 5 .• 6 .• 7 .• 8 .• 9 .• 10 斉田芳久:術後患者のチュ-ブ.消化器ナーシング 2011;16 (6):526-530. 11 岸原文明:管を入れる.臨床研修プラクティス 2007;4(5):61- 67.• 13 . 本記事は株式会社照林社の提供により掲載しています。

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ドレナージにおける医療安全対策|ドレーン関連トラブルの予防・対応策は?

ドレーン 固定 方法

『・・チューブ管理完全ガイド』より転載。 今回は 経鼻胃管について説明します。 排出不良時はの屈曲や排液バックの位置をまず確認する 挿入中:定期的に固定部のトラブルを確認し、固定位置を変更する ケアのポイント 挿入前:皮膚や髭の状態、内環境、テープの耐性およびベットサイド環境などを考慮して、固定法や挿入後の管理方法を選ぶ 口腔ケア:絶飲食になると、口腔ケアがおろそかになりやすい。 保清・を保つようにする 〈目次〉• 経鼻胃管の定義 経鼻とは、鼻から胃に挿入する塩化ビニルやシリコンゴムなどでできたやわらかいチューブの総称である。 経鼻胃管には、単腔構造の型と2腔・3腔型構造のサンプ型()がある。 胃内容物の性状確認(インフォメーション) 貯留した胃内容物が血液か、食物残渣か、胆汁を混じた腸液か、などの情報を得ることができる。 胃・十二指腸潰瘍や胃癌からの出血に対する内視鏡的治療後に、その止血効果の確認などに用いられる。 胃内容物の体外への誘導(ドレナージ) 胃内容物を体外に誘導して胃内の減圧を図ることで、嘔吐を軽減し、さらに嘔吐による誤嚥を予防する目的にも使われる。 胃癌による幽門狭窄のための通過障害・胃拡張に対する術前処置として用いられる。 また、上部消化管手術後の急性胃拡張や術後の胃排出障害による嘔吐、あるいは、腸閉塞のうち嘔吐を繰り返すものなどに用いられる。 2 適応 以前は癌、胃癌などの手術後に胃内の減圧を図り、縫合不全を予防し、腸管の早期回復をめざして術後数日間経鼻胃管を留置したり、これに持続陰圧をかけることが行われていた。 しかし、複数の解析や前向き研究により食道切除 、内視鏡下手術を含む胃切除、膵頭十二指腸切除、および緊急開腹手術を含む多くの開腹手術でも、術後の予防的な経鼻胃管挿入は「肺合併症」「消化管の縫合不全」「創離開」などの術後合併症を減少させないことが明らかになった。 また、術後排ガスまでの時間、経口摂取時期、術後在院日数などを短縮させないことが証明され、最近はこれら手術後の予防的経鼻胃管は推奨されていない。 3 ドレーンの選択 サンプ型ドレーン:二重管構造で内腔が閉塞しにくいため、胃内容の吸引、とりわけ持続吸引に適している。 レビン型ドレーン:単管構造で、薬剤や栄養剤の注入に適している。 本書ではドレナージに主眼を置いているため、経鼻胃管を介しての薬剤投与や経管栄養に関しては他書に譲る。 経鼻胃管の挿入方法と留置部位 1 挿入方法 挿入は鼻腔を通して行われる。 経鼻胃管挿入時に最も注意しなければならないことは、挿入中に胃内容物の嘔吐によって起こる「誤嚥」である。 この時点で何回か唾液を飲み込んでもらい、嚥下にタイミングをあわせて胃管をゆっくり進めることで気管内への迷入を防ぐ。 ここで胃内容物が吸引されることを確認し、さらに腹部X線にて胃管先端の位置を確認する。 図2経鼻胃管挿入時の角度 2 留置部位 通常、仰臥位では胃底部背側が最も低位であり、胃内容物はここにたまりやすい。 胃管先端が胃底部にあることが望ましい()。 図3経鼻胃管の留置部位 経鼻胃管の合併症 1 経鼻胃管挿入時の合併症 挿入時の嘔吐による誤嚥 胃管先端が咽頭を越えるところで嘔吐が起こることが多い()。 大量の胃内容物が貯留していることが多いため激しい嘔吐になり、誤嚥を起こしやすい。 図4嘔吐を引き起こしやすい部位 挿入にあたっては患者体位に十分配慮し、嘔吐に備えて近くに排液盆などを用意する。 医療者も患者も、嘔吐が起こりやすいことを認識すべきである。 仰臥位で嘔吐が起こった場合は、ただちに顔面を左右どちらかに向けさせる。 意識レベルの低下した患者では、嘔吐、誤嚥に関して特に注意を要する。 胃管の気管内への迷入 や、鎮静状態などの患者では、嚥下機能と反射がともに低下しており、胃管が誤って気管内に入りやすく、その際に咳嗽が起こらないことも珍しくない。 気管内に胃管が迷入すると、嗄声が起こること、胃内容物が吸引できないことなどで診断はつく。 「注射器で空気を注入し、その空気音を心窩部で聴取できれば胃管が胃内にある」と判断することは推奨されない。 気管末梢まで迷入した胃管に空気を注入しても、心窩部で同じような空気音が聴取されることが知られているからである。 胃管が長時間にわたって気管内に留置されると、誤嚥が起こりやすくなり、きわめて危険である。 その意味でも腹部X線画像による胃管の位置確認は必須である。 2 経鼻胃管留置中の合併症 咽頭の異物感による患者不快、嚥下障害による誤嚥 咽頭を通過するドレナージ用の胃管は、通常12~14の太さがある。 そのため、患者の咽頭不快はもちろんのこと、咽頭喉頭の異物として嚥下機能を障害し、ドレナージ不良の場合には胃内容物が逆流しやすくなり、誤嚥が起こりやすくなる。 胃管先端による消化管の出血・穿孔 胃管留置が長期化すると、胃管先端の胃壁への圧迫のため出血や穿孔が起こることがある。 鼻翼固定部の圧迫壊死 経鼻胃管の固定が長期間鼻翼の1か所になされると、圧迫壊死に陥るので注意を要する。 経鼻胃管の利点と欠点 経鼻胃管は比較的容易に挿入することができ、胃内容物に関する性状確認と胃内の減圧・体外への誘導の両方に有効である。 しかし、胃管挿入操作時から留置中に至るまで、誤嚥の危険が常に存在することをよく理解し、胃管留置による得失を十分に考慮して選択すべき治療である。 そこで、患者の苦痛ができる限り少ない状態で挿入目的が達成されるよう、事前のアセスメントと環境整備が重要である。 患者の皮膚や髭の状態、口腔内環境、テープなどの固定具に対する耐性、また患者の動線をふまえたベットサイド環境などを考慮し、固定方法(、)や挿入後の管理方法を選定する。 図5合併症を防ぐ固定のコツ 図6経鼻胃管の固定方法 2 挿入時の介助 挿入時の嘔吐、それに伴う誤嚥を予防するため、可能であれば半座位から座位をとれるよう、ベッドギャッジアップや姿勢支持を介助する。 また、咽頭に達した際スムーズに胃管が進むように、嚥下動作の協力を得る。 事前に手順を説明し、唾液を飲み込む感覚を練習しておくことも効果的である。 嘔吐が生じた際に迅速に対応できるように、あらかじめ膿盆や吸引器・吸引カテーテルなどを使える状態でベッドサイドに準備しておく。 挿入後、経鼻胃管が適正位置に挿入されていることを確認するため、胃内容物を吸引するためのカテーテルチップ注射器を準備する。 そのため、ドレーンを()や吸引し、状況の確認、閉塞の予防・解除を行う。 図8経鼻胃管のミルキング サンプ型ドレーン()の構造を理解し、正常にドレナージされるよう排液バック(ボトル)・空気腔の位置を確認する。 空気腔は胃より高い位置に固定し、排液バックは胃より低い所に設置する()。 図9ベッドサイドでの経鼻胃管の設置方法 ドレナージルートの屈曲・排液バックの位置などの単純な理由で排出不良となるケースが多いため、排出改善を試みる際は患者への侵襲が少ない方法から試行していくよう考慮する。 患者の姿勢で排液流出が左右される場合は、排出しやすい体位をとり、定期的に吸引することもよい。 閉塞により排液が滞る場合は、空気や微温湯を少量注入し開通する方法もあるが、ある程度圧力をかけて改善がなければ無理強いはしない。 必要であれば、X線撮影による位置の確認や抜去、再挿入を行う。 固定方法()は各種あるが、ドレーンの長期接触による鼻翼の皮膚損傷や、固定テープによる皮膚障害が生じる可能性があるため、定期的に観察および固定位置の変更を行う。 事故抜去や固定位置への圧力の集中を避けるために、ルートの途中で衣服の襟元などに留めておくのもよい(更衣の際は注意する)。 経口摂取されなくなると特に口腔ケアがおろそかになりがち(患者本人も)であるが、保清・保湿ができるよう患者に合ったケアを励行する。 臭気による患者の心身ダメージも大きく、臭気対策のための行動が患者の気分を害する場合もあるため、方法やタイミングを考慮する。 患者は消化管に何らかのトラブルを生じ、すでに心身ともに悪条件にあるなかで、さらに侵襲を伴う医療行為を長期的に強いられる。 この点を常に念頭においてケアにあたる必要がある。 Column:看護師として、患者として 今回の執筆依頼にあたり、奇しくも自分の身に起こった出来事が参考になろうかと振り返った。 筆者が体験した緊急開腹洗浄ドレナージ・ストーマ造設術後の経過・状況の一部を紹介する。 術後5日目、急激なに見舞われ、縫合不全による急性腹膜炎の診断により緊急開腹洗浄ドレナージおよびストーマ造設術を施行した。 吻合部・下に計4本のドレーンが挿入され、それに伴う疼痛・不快感・抑制感が強い。 嘔気、腹部膨満、呼吸困難は増強。 主治医の指示にて経鼻胃管挿入となる。 胃内容物が300mLほど吸引され一時的に症状軽減したが、根本的には改善せず。 経鼻胃管挿入による不快感・呼吸苦が増強。 5分おきにナースコールし苦痛を訴える。 鎮静薬を点滴しいったん落ち着くが、苦痛が再燃。 「早く抜いて!苦しい!息ができない。 もうおなかの管も全部苦しい!自分で抜くよ」などと訴え状態となり、経鼻胃管挿入後1時間で抜去となる。 その後も医療チームから適切かつ献身的な治療・看護を受け無事退院。 3か月後に人工も閉鎖され、臨床現場に復帰した。 看護師は医療者としての冷静な観察力・判断力・行動力をもつと同時に、患者の気持ちをとらえ支える人間性を備えなければならない。 ときに、このいわば相反した特性を同時に発揮しなければならない。 図らずもこの貴重な体験をし、患者を看護する難しさと重要性を再認識した。 どんな医療行為であっても、患者にとっては大きな負担であり不安も大きい。 それを理解し、適時、的確なインフォームド・コンセントを行い、かかわっていく必要がある。 (宇佐美航) [引用・参考文献]• 1 Levin AL.A new gastroduodenal catheter. JAMA 1921;76: 1007.• Best Pract Res Clin Gastroenterol 2006;20(5):907-923.• 4 .• 5 .• 6 .• 7 .• 8 .• 9 .• 10 斉田芳久:術後患者のチュ-ブ.消化器ナーシング 2011;16 (6):526-530. 11 岸原文明:管を入れる.臨床研修プラクティス 2007;4(5):61- 67.• 13 . 本記事は株式会社照林社の提供により掲載しています。

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